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盗聴スキャンダルは欧米の自由貿易交渉に支障を来たす

ラテンアメリカ諸国は欧州諸国の国際法違反を非難している

2013年07月05日04:57    ソース:人民日報    携帯でニュースを見る

連日、米国のEU諸国に対する監視と盗聴スキャンダルは発酵を続けている。欧州議会は7月4日、米国のスパイ活動に重大な関心と強い非難を表明する決議を採択し、米国に直ちにEUに事実を明らかにするよう求めた。決議はまた、議会傘下委員会が調査を行い、今年末までに調査報告書を提出すると明らかにした。

ドイツのメルケル首相は3日、オバマ米大統領と電話で会談し、米国の監視活動と安全問題について今後数日以内にハイレベルの二国間会談を行うことで合意した。オバマ氏はまた、米国が欧州の同盟国とパートナーの関心に真剣に対応することを保証した。また、米国とEUの司法当局者は早ければ7月8日に会談を開き、情報やプライバシーについて議論する。欧州連合(EU)のレディング司法委員は3日、欧米で専門家ワーキンググループを設立し、これに関連するデータ保護などを検討すると明らかにした。

欧州委員会と独仏などは3日、7月8日に予定通り欧米自由貿易圏交渉を開始すると発表したが、双方はワーキンググループを設立して米国の情報活動に関する情報交流も行う。欧州連合(EU)のバローゾ委員長は3日、ベルリンで「大西洋を横断するパートナーシップは依然として私たちの最大の重点だ。同時に重要なのは、欧州側が米情報活動の活発化に不満を示していることや、プライバシーや情報保護の面での隠れた危険性に対応するための措置を講じることだ」と述べた。この決定はかなり緩和された。欧米メディアは、この波乱は自由貿易交渉があまりうまくいかないことを予告しているとみている。米紙ウォールストリート・ジャーナルは、欧米の自由貿易交渉は現在十分に複雑で、盗聴スキャンダルは交渉のタイミングをさらに敏感にしていると報じた。

レディング氏は3日、フランスのストラスブールで、ホールド米司法長官が2日に書簡を送り、大西洋を横断する専門家グループを設立して情報問題を議論することを約束したと明らかにした。専門家グループの任務は、欧州委員会が欧州連合の公民データ保護に与える影響を評価するために、米国の情報活動に関する事実データを収集することである。当初の計画では、専門家グループは7月に第1回会議を行い、9月に第2回会議を行い、10月に欧州委員会が最終報告書を発表する予定だった。

ロイター通信は、フランスが欧米の自由貿易交渉を一方的に阻止することはできないにもかかわらず、この波紋は双方にとって後退を意味すると報じた。フランスは先月、フランスの映画やオンライン娯楽業を排除しなければ、自由貿易交渉から撤退すると脅していた。

ボリビア大統領専用機にスノーデン氏がいる可能性が疑われ、フランスやイタリアなど欧州諸国は一時、通過を拒否した。この事件は南米の国家指導者の一般的な非難を引き起こした。南米諸国連合は3日、怒りと遺憾の意を表明する声明を発表し、現地時間4日に緊急会議を行うことを決めた。

ベラルーシを訪問中のベネズエラのマドゥロ大統領は3日、欧州の関係国の行動は外国元首の保護に関する国際法の条項に違反しており、危険な冒涜であり、受け入れられないと述べた。ブラジルのロゼフ大統領は3日、スノーデン氏が専用機に乗っている可能性があるとのうわさは、悪意のあるデマであるだけでなく、国際的な慣例や各国の文明的な付き合いに対する極めて尊重されていないと発表した。

アルゼンチンのクリスティーナ大統領は、この事件は「兄弟国だけでなく、南米大陸全体に対する恥辱だ」と述べた。ペルーのフマラ大統領は3日、「欧州諸国はこのような乱暴な行動について説明しなければならない」と強調した。メキシコ政府は3日、欧州の関係国のやり方について「遺憾の意を表明する」と発表した。

アルゼンチンの国際問題専門家レストボ氏は本紙記者の取材に対し、「南米の国家指導者の激しい反応は、南米が欧州の数カ国のこのようなやり方を南米指導者全体への侮辱と理解していることを示している。この事件は米国と南米の国家関係、欧州と南米の国家関係にマイナスの影響を与えるだろう」と述べた。

ベネズエラ中央大学の国際問題学者セルジオ・ロドリゲス氏は本紙記者の取材に対し、「9・11」事件以来、米国はテロを敵とする一方的な国際政治体制を構築してきた。すなわち、米国自身の利益と理念からテロ分子を判断する。この理論の下で、米国はここ数年、欧州の盟友やNATOの支援を受けて、秘密刑務所の設立、囚人の密送、不法盗聴などの行動をとり、今また一国の元首が他国を通過するのを阻止している。これらの行動は国連憲章と国際法準則に重大な違反をし、他国の主権を侵害し干渉した。ラテンアメリカにとっては、一体化と団結を強化し、独立と主権のために戦ってこそ成功することができる。

(本紙ベルリン、ブリュッセル、カラカス、ブエノスアイレス7月4日電記者管克江、張亮、呉志華、範剣青)


「人民日報」(2013年07月05日03版)

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(責任編集:劉軍濤、劉潔妍)



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